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  • ルワンダ農業の今

    Category: 海外事情, ルワンダ, お知らせ 2018年11月21日

    今年2月、ルワンダ農村を訪問する機会を得た。同国の行政区域5州を駆け足で回ったので、地形と農業を概観したい。

    ルワンダはアフリカ中央部に位置する小国で、ウガンダ、タンザニア、ブルンジそしてコンゴ民主共和国に囲まれている。面積は26,000 km2で、四国よりも大きく九州よりも狭い。西部には2,000m級の山々が南北に連なり、この稜線の西側急斜面は、キブ湖(海抜1460 m)へと下っている。一方、稜線の東側の緩やかな斜面は、なだらかな起伏を持つ丘陵部を経て、東部の平原、沼地、湖などからなる地域まで徐々に海抜を下げながら続いている。このなだらかな起伏は「千の丘」と形容されている。また、最高峰はカリシンビ山(4,507m)で、最も海抜が低いのはキブ湖を水源とするルジジ川(950m)である。 

    ルワンダ地形図
    (出典)
    ウィキペディア

    キガリ州北部の山並み (2018年2月16日撮影)

     

    赤道近くに位置するにも関わらず、その海抜の高さから気候は温暖で、首都キガリ(標高約1,500m)では年間平均気温20.1℃、年平均降水量1,000mmである。  ルワンダは農業国であり、多くは小規模な天水農業である。主な農産物は、キャッサバ、料理用バナナ、サツマイモ、ジャガイモ、豆類、トウモロコシ、カボチャ類、サトイモ、飼料用ソルガム、トマト、米、サトウキビ、小麦などである(FAOSTAT (2016))。小麦、茶、コーヒー、米、サトウキビなどは輸出されている(FAOSTAT (2013))。

    5州のそれぞれは海抜や地形のために降水量や気温が若干異なる。それが農業にも違いをもたらしている。なお、集住化政策により、人々は丘の頂部分に居住し、平地部分に田畑や牧場が広がっている。首都キガリ市があるキガリ州では人口密度が高いため丘陵部分に立ち並ぶ住宅が目立つ。平地では田畑が広がり、近郊農業が行われていた。北部州(州都ビュンバ、海抜約2,200m)は標高が高いため気候は冷涼で、また、火山灰土壌が多く、そのためジャガイモや除虫菊の栽培が盛んであった。西部州(州都キブエ、海抜約1,500m)は急峻な山脈を利用してコーヒーやキャッサバの栽培が盛んであった。南部州(州都ニャンザ、海抜約1,800m)には山脈とそれに続く丘陵地がのびており、平地では水田が広がっていた。東部州(州都ルワマガナ、海抜約1,500m)には沼地や湖が多い。海抜が比較的低いため気温が高めである。温度が高く水が豊富であることから灌漑地域では水田やトウモロコシ畑が広がり、非灌漑地域では放牧場も多く見られた。

    ルワンダと日本の双方で生産される作物の単位面積当たり収量を比較すると、いずれの作物でも日本の収量が高い(FAOSTAT(2016))。灌漑設備、品種、肥料、栽培技術、農業機械など作物生産の基本的要素に改善の余地があるものと想像され、また、現地での聞き取り調査によっても確認された。

    (N. N)

     

    キガリ州。手前がキャッサバ畑、次いで水田、奥の丘陵地帯に住宅が広がっている。 2018年2月8日撮影。キガリ市の丘陵地に広がる住宅地。 2018年2月16日撮影。
    北部州のジャガイモ畑。2018年2月16日撮影。北部州の山腹に広がる畑。2018年2月16日撮影。
    西部州にあるコーヒー豆のウォッシングステーション。 2018年2月14日撮影。西部州にて。手前はキャッサバ畑、奥はキブ湖、対岸はコンゴ民主共和国。2018年2月14日撮影。
    南部州にて。平地に広がる水田での田植えの様子。2018年2月15日撮影。南部州にて。尾根沿いの集落。2018年2月15日撮影。
    東部州にて。手前は少雨のため不作となったトウモロコシ畑、奥はシオオア・スッド湖、対岸は隣国ブルンジ。2018年2月17日撮影。東部州にて。牛の放牧。2018年2月17日撮影。