「日本技術!―モンゴル養蜂のモニタリング・評価調査から―」(9月11日―18日)
9月ともなると、朝は氷が張っていました。
寒風が身を切るような寒い日もありましたが、ミツバチは元気に過ごしているようです(寒い日は巣箱の中で。ぽかぽかしてくると花に飛んでいってしまいます)。
シャーマル郡に行くと、養蜂グループのリーダーたちが出迎えてくれました。
飼育技術専門家が指導した技術は「日本技術」という名前になって、現地に定着し始めていました。
「『日本技術』のお陰で、ハチミツの生産量がとても増えた!」
「去年は40リットルの缶1缶だったのが、今年は2缶になった」
「うちのグループは、全員が『日本技術』を試してみた!」
「時期が悪くて『日本技術』を試験しただけで終わった巣箱も多いけれど、導入した巣では皆ミツバチが増えた」
「来年はすべての巣箱に導入し、ハチミツをもっと採りたいと思う」
ワークショップで実演した蜜蝋キャンドルも形になり、イベントでの販売に向けた準備も進んでいます。
(この後、秋のイベントで、蜜蝋キャンドルが「New Business Idea賞」を受賞しました)
また、嬉しいことに、セミナーにも参加できず、専門家も接触できなかった養蜂家の中にも、知り合いから教えられて「日本技術」を試行し、生産量を増やした養蜂家もありました。
現地での調査の後は、モンゴル農牧・工業省の副大臣とも面会し、養蜂について意見交換も行いました。
この事業と並行して、モンゴルでは、養蜂協会や農牧業大学の養蜂専門家が中心となって、養蜂振興の政策立案に向けて動き始めています。今回の事業でも、それらの関係者と緊密に連携を取りながら、情報共有を行ってきました。
モンゴル政府としても、養蜂振興に力を入れていこうとしています。
養蜂は、環境と共生する産業であり、基本的には高度インフラも大きな投入も必要としません。地方の生活改善と持続的発展に貢献できるのではないか、という思いは、本事業を通じてますます強くなりました。
養蜂は、モンゴルにとって決して大きな産業ではありませんが(養蜂家は2―300人程度)、大事に育てることで、地方に立脚するニッチ産業として人々に実りをもたらしてくれるのはないかと期待します。
本事業の詳細は、機関誌「国際農林業協力」にて報告予定です!
平成25年度「アフリカ等農業・農民組織活性化支援事業(アジア)」