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葉化病からゴマを守れ!!

ミャンマー:2019年度アジア・アフリカの農業者に対する農業技術指導(農林水産省補助事業)

2019年5月、ミャンマー中央乾燥地帯で黒ゴマに関する試験を開始しました。今年度は、現地で大きな問題となっている“ゴマ葉化病(Sesame Phyllody Disease)”の防除試験を行うこととしています。この病気は、病原体であるPhytoplasmaに感染することで起こります。典型的な症状の一つとして花に異常が起こるため、感染した植物は生殖能力を失ってしまいます。ゴマでも、発病すると花が葉化したり先端が叢状になったりして結実がなくなるため、大きな減収となります。なお、日本では様々な植物に発生する「天狗巣病」や「萎黄病」等が知られています。

ゴマ葉化病は、現在、ミャンマーのゴマに甚大な被害をもたらしていると考えられます。2017年6月?7月にはMagway地域MagwayタウンシップおよびPwintbyuタウンシップの調査圃場の53%で、2018年8?9月には同じくAung Lanタウンシップの調査圃場の100%で、ゴマ葉化病株を確認しました。中には、半分近くのゴマ株が発病している圃場もありました。現地で「フィロディ」と呼ばれるこの病気は、農家を大変苦しめています。

 こうしたことから、今年は、Aung Lanタウンシップの普及員、農家と一緒に、農家の圃場を借りて葉化病の防除試験を行うこととしました。葉化病は特定のヨコバイによって媒介されることが知られており、ゴマの場合は“Sesame jassid”という3mm程度の小さなヨコバイが媒介します。栽培前期(開花前)のヨコバイ防除がカギであり、適切な農薬散布が必要です。

一方で、農薬の残留基準違反でシップバックとなったケースが過去に何度かあったミャンマーでは、基準を守る使用が課題です。折しも日本では、ゴマの農薬残留基準が一部薬剤について改訂されようとしており、農薬の適正な使用は、産地であるミャンマーにとっても、市場である日本にとっても大変重要なことです。

農薬を適正に利用すれば、生産を安定させるとともに、残留基準を順守したゴマが生産できるはず。そのためには、病害虫について良く知った上で、効果があり、かつ、基準違反を起こさない防除法を取り入れなければなりません。農家圃場を使った防除試験は、農薬の適正使用の考え方も含め、周辺農家への展示効果が期待できるでしょう。 次回からは、試験区のゴマ畑の様子や、並行して実施する害虫調査(「まずは敵を良く知る」です)の様子などをお知らせしていきます。

(西山亜希代)