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『海外農林業情報』No.3

『海外農林業情報』No.3(2012.2.10号)


今後10 年の農業見通し


国連食糧農業機関(FAO)と経済協力開発機構(OECD)では、昨年、世界農産物需給モデルによる分析に基づいて今後10 年の農業見通し「OECD-FAO Agricultural Outlook 2011-2020」を発表しています。

 

需要の見込みを見てみると、世界全体で1人当たり食料消費量が増加し、特に所得の向上と人口増加の鈍化がみられる東欧、アジア、中南米で急増するとみられています。


農産物別に見て、需要が最も大幅に伸びるのは、植物油、砂糖、肉、乳製品です。特に、農産物のバイオ燃料向け利用は、今後も堅調に伸びていくとみられます。2020 年には、世界の粗粒穀物生産の13%、植物油生産の15%、サトウキビ生産の30%がバイオ燃料の生産に用いられると推定されています。

 

一方で、供給サイドでは、世界の農業生産成長率(年率平均)は、過去10 年間の2.6%から1.7%に鈍化する見込みです。この鈍化は特に、生産コストが上昇し生産性が伸び悩んでいる油料種子と粗粒穀物に見込まれています。このような基幹作物における単収の世界的な鈍化は、今後も国際価格を押し上げる要因となります。他方、既存技術による単収向上の余地がまだ残されている新興供給国では、単収や供給量の不確実性が大きいとはいえ、生産成長率の上昇が見込まれます。

さらに詳しく見た場合、従来の輸出国における生産増はわずかにとどまる一方で、輸入国の国内生産が増加し、世界の農業貿易の年増加率は2%と、過去10 年間を下回ると見込まれます。主に東欧、中央アジア、中南米諸国の新興輸出国で貿易の大きな伸びが見込まれています。また、サハラ以南アフリカでは、人口増加による需要の伸びが国内生産の伸びを上回るため、食料不足の増加が見込まれます。

このような状況の下に、通常通りの天候を前提とした場合、現在の高価格に供給サイドが反応するため、農業生産は短期的に見て増加する見込みであるとされていますが、農産物価格は、2011-2020 年の平均価格を実質ベースで過去10 年の平均と比較すると、穀物(トウモロコシ)は最大20%、食肉(鶏肉)は最大30%上回ると見通されています。なお、最近のデータによると、多くの国々で、農産物価格上昇の影響がフードチェーン全体に及んでいることにより、消費者食料価格の上昇が進んでおり、これが消費者物価全体の上昇の一因となっているようです。

しかし、価格見通しは前提条件に大きく左右されるため不確実性が高く、また価格下落よりも価格上昇のリスクの方が大きいことが示されています。また、主要作物輸出国における単収の増減による生産の増減が、国際価格変動の最大の要因となっています。

ロシアとウクライナにおける一昨年の干ばつや米国の多雨は、市場のバランスがいかに急速に変動しうるものであるかを示しました。天候による単収の変動は、これまで以上に価格変動の重要な要因となることが予想されています。

 

以上のような状況に対し、本報告書は、2006-2008 年の世界的な価格変動の経験に照らして、各種の提言をまとめています。詳細は、以下の資料をご参照ください。

 

・「OECD-FAO Agricultural Outlook 2011-2010」FAO/OECD, 2011
 報告書全文(英語ほか)www.oecd-ilibrary.org

 要約版(英語・日本語ほか)www.agri-outlook.org

・概要(日本語)
世界の農林水産 Winter 2011』(社)国際農林業協働協会、2011 年

 

 

(文責:西野 俊一郎)

 

 

 

世界食料農業白書 2010-11 年報告』のご案内

FAO の報告書「The State of Food and Agriculture 2010-11」を翻訳・刊行しました。
世界の食料・農業をめぐる地域別の概観を報告するほか、本年版は、特に開発途上国に根強くみられる農業におけるジェンダーギャップに焦点を当て、その実態と、格差解消の重要性、解決への道筋を論じています。
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