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『海外農林業情報』No.7

『海外農林業情報』(No.7 2012 年4月26日号

WTO における為替と貿易に関する特別セミナーについて

WTO は、昨年9月に為替レートが貿易に与えるインパクトへの対応を求める提案がブラジルから出されたことを受け、3月27日から28 日にかけて、為替と貿易に関する特別セミナーを実施しました。

WTO は、前身であるGATT が為替問題を扱うIMF との両輪体制をとっていたことから、「為替に関してはIMF と協議する」という条項を持ってはいますが、その変動による関税調整等の措置規定は設けていません。これに対し、ブラジルは最近の為替の動向が自国の産業に強い影響を与えているとして、セーフガードや相殺関税等の措置を活用できるのではないかと問題提起しています。このため、非常にセンシティブな問題ではあるものの、貿易と為替の関係を強く認識しているとして、WTO は、官民学と国際機関という4つのセクターから意見の表明を受ける形でセミナーを実施しました。

同セミナーの冒頭、WTO ラミー事務局長は、「為替レートは短期的な変動で貿易に影響を与えているものの、長期的な変動は産業調整が実施された結果であるので、この問題に対し、WTO における貿易面からの対応として対策を考えるべきではない。しかし同時に、短期の変動が貿易に与えるインパクトの大きさについても認識しており、(IMF またはG20等で)為替の安定が図られるべきである」としています。

これに対し、ブラジルと南アフリカの民間分野からは、為替の大きな変動が貿易に影響を与えている現状があること自体が問題との意見が表明されています。現在の為替レートは、投資の流れとの関係が強く、かつ一部の国で人為的な操作が行われていることから、自国の貿易に不利に働いており、貿易システム上での対策として、相殺関税、アンチダンピング、セーフガード、補助金相殺といったような対策をWTO 上で活用することが認められるべきと主張しています(これは中国を念頭においたものと思われます)。

一方、米国も、為替問題はIMF を中心に考えるべきとしながらも、現在のファンダメンタルズに為替レートが適切に反映されていないなど、背景には基本的な構造問題があるとしています。また、カーク米国通商代表(USTR)は、為替レートが長期にわたり上手く調整されていないことで、開放貿易態勢を揺るがしかねないとの懸念を示しています。

いずれにせよ、この問題提起に対しては、特別セミナーでの意見聴取という形をとったため、為替変動に対して貿易面から対策をとるかどうか、すなわちWTO のルールの中に為替レート問題に向けた対策を用意するべきかということについて、具体的な議論はなかったようですが、今後の動向が注目されます。

なお、1971 年のニクソン・ショックの際、大幅な貿易赤字を抱えた米国が、一方的にドルの金との兌換(だかん)制を放棄し、かつ各国に為替調整を求めましたが、その際、輸入に対して一時的に10%の課徴金を課したことが想起されます。

日本においても、それまでの1ドル=360 円というレートが、スミソニアン会議による関税再調整により318 円となり、その後も調整が繰り返され、結局、変動相場制となりました。現在では80 円前後となって、国内の産業、特に農業に対して強いインパクトを与えています。当時と現在では、各国の経済力等の背景は異なりますが、IMF 等を通じて、貿易収支、財政、インフレ率等に配慮しながら、各国経済のファンダメンタルズを適切に反映させた為替レートへの調整が必要とされているようです。

参考リンク
WTO におけるセミナー発表内容
WTO ラミー事務局長によるOpening Remark
USTR による発表

(文責:西野 俊一郎)