1月10日(木)、世界銀行情報センター(PIC東京)において、ゼロ・ハンガー・ネットワーク・ジャパンのメンバー団体による第2回活動紹介セミナーが行われ、今回はJAICAFが発表しました。
JAICAFは、開発途上国の農業・農村開発の支援を中心としたさまざまな活動を行っていますが、今回はその中からまず、現在コートジボワールで行っているJICA受託調査を小林調査役が紹介しました。コートジボワールでは、ヤムイモ、コメをはじめとする食用作物に加え、コーヒー・カカオ、パームオイル・サトウキビ、ワタ・ゴムなどの換金作物が多く栽培されています。その生産を担う小規模農家への資金・技術投入が不足し、農家の収入は減少する傾向にあります。そのため、同国における食料安全保障のためには、近年消費を伸ばしているコメを含めた食用作物の生産性向上に加え、同作物の収穫後ロスの減少、換金作物を含めた加工技術の向上等に取り組む必要があることが紹介されました。
続いて西牧会長より、わが国がウガンダで行っている稲作振興の取り組みを、JICA専門家としての経験を踏まえて紹介しました。アフリカでは多様な食用作物がありますが、中でも近年コメの需要が伸びています。コメは高く売れて生産者の所得向上にもつながることから、日本政府は2008年からウガンダで、伝統的な食生活に根ざした作物を尊重しつつ、アフリカの土地に適した陸稲品種「ネリカ米」を普及するための技術協力プロジェクトを行っています。現地では、雑草や病害虫と闘いながらも、生産量が着実に伸びていることが紹介されました。
会場はアフリカ農村開発に関心を寄せる参加者で一杯となり、発表後も熱心な質疑応答が交わされました。