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『海外農林業情報』No.24

海外農林業情報 No.242013 年11 月13 日

最近のTPPの動き

10月7-8日にインドネシア・バリ島で開催されたAPEC首脳会議にあわせて、TPP交渉参加国首脳による会議が行われ、8日には共同宣言が発出されました。この会議には、米国政府予算問題のためにオバマ大統領が参加できず(ケリー国務長官が代理出席)、米国のリーダーシップが十分に発揮されなかったと言われています。このためか、今回の会議では、大筋合意を表明するには至りませんでした。

共同声明では、(1)関係大臣および交渉官はこの数ヵ月間で、もの、サービス、投資、金融サービス、政府調達、暫定加入に関する条文およびその付属文書について、著しい進展を示したとしています。(2)交渉官は今年中の合意を目指し、残りの全ての問題に取り組むべきであるとし、依然として今年中に妥結する可能性を残しています。(3)TPPは、アジア・太平洋自由貿易地域をというAPECの目標にも合致しているものだとし、韓国、タイ等の加盟に関心を示している国々とも話し合って行くとしています(韓国は、この時のAPEC首脳会議で参加の意向を表明するのではないかと伝えられていましたが、直前にその表明を取りやめたという経緯があります)。

また、この首脳会議に向けて、TPPの交渉内容について貿易大臣らによるレポートが発出されています。
市場アクセスにおいては最もセンシティブな品目の取扱いについて問題が残っているとしています。他方、サービス・投資については、自由化しないものを列挙するネガティブリスト方式で交渉しているとし、また、政府調達については自由化分野を増やす努力を続けるとしており、進展が見られます。
TPPを地域全体の協定とするために、関税についてはシングルタリフスケジュール、すなわち単一の関税表を作成するとしていますが、他方、米国が求める、FTAのように個別二国間で関税譲許したものを取りまとめる方式が否定されたとは言い切れないようです。すなわち、単一の関税表でありながら、中身は個別の二国間のものを取りまとめることも考えられます。原産地規則については、地域内での生産を奨励するよう、共通の原産地規則を作るとしています。さらに、地域全体のバリューチェーンを促進するため、税関の取扱、急送便、Eコマースおよび基準についての議論は相当に進んでいると述べられています。
その他の規制や非関税障壁、競争条件、中小企業、能力強化等の問題については最終段階にあるとされています。さらに、新しい分野としてデジタルエコノミーの奨励、環境保全とその新しい技術の活用、企業環境の透明性と競争の促進について触れられております。

なお、このTPPの今後の動きの参考となると思われるEUとカナダの貿易協定(FTAの一種)が合意に至ったことが10月18日に発表されました。これは、今後西側の批准手続きとの関係で、2年程後に発効するのではないかと言われています。この中で、農業の取扱いで特徴的なのは関税と地理的表示(GI)の問題です。
関税に関しては、農産物の90%程度をゼロとする一方、双方のセンシティブ品目については高い二次関税を解消しつつ一定量をゼロにするという関税割当制度を適用するようです。これに当たるものとして、EU各市場へのカナダの牛豚肉、カナダ市場へのEUのチーズがあり、すでに具体例な数値量の合意がなされているようです。GIに関しては、一般的な名称は使用可としつつ、特定的な名称は規制するというもので、例えばパルメザンチーズは認められ、パルミジャーノレッジャーノという呼称は規制されます。

なお、今後の交渉は、米国ソルトレークシティーで11月19日から24日にかけて行われている首席交渉官会合を経て、12月7日-9日にシンガポールで閣僚会合が予定されています。

<参考リンク>

1.バリ島におけるTPP協定交渉について(内閣官房)
(「TPP首脳声明」「TPP貿易閣僚による首脳への報告書」、日本語仮訳・英文原文)

2.Technical Summary of the Final Negotiated Outcomes
(CETAウェブサイト、英語)

(文責:西野俊一郎)

 

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