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『海外農林業情報』No.2

『海外農林業情報』No.2(2012.1.27号)

 

1.日本のTPP 交渉参加について、USTR に集められたパブリックコメント

 

USTR が米国内向けに募集していたパブリックコメントが1月13 日に締め切られ、個別企業、業界団体、労働団体等から100 を超える意見が、寄せられました。

 

その中でも、アメリカ商工会議所(U.S. Chamber of Commerce)からは米国の産業界を代表するコメントとして、日本のTPP 交渉参加に対する歓迎および将来的な合意への支持が表明されています。また、牛肉のBSE 問題に係る生育年齢の制限見直しに日本側で前進があるとし、同様の見直しが、自動車やサービスなど他の主要分野へも展開されることを望むとしています。具体的な米国側の指摘には、?市場アクセスについて例外品目を設けるべきではない、?投資に関しM&A の公平なルールを導入すべき、?公正取引委員会の手続き透明化をするべき、?保険事業に関し、郵政および共済に一般民間ルールを適用すべき、?同じく郵政の国際スピード便などの速達サービス事業の優先的な地位を変えるべき、?食品規制は科学的根拠に基づくべき、?農産品の高関税率やその他非関税障壁の改善にも取り組むべき、などがあります。このあたりが米国産業界からの一般的なコメントのようです。

 

一方で、強い反対の姿勢をとっているのは、米国自動車大手3社、クライスラー、フォード・モーター、ゼネラル・モーターズによって構成されている米国自動車通商政策評議会(AAPC:The American Automotive Policy Council’s)で、現段階での日本のTPP 交渉参加に明確な反意を示しています。AAPC は、?日本が円高防止の為替操作をしている、?日本の自動車業界への参入にあたっての手続きや軽自動車の取り扱いなどの基準が不明瞭であり、日本で生産される自動車に対して独自の措置を講じている、と指摘しています。更に、為替の変動についての新しい基準をTPP に組込むことを強く勧めています。しかし、これらの構造的問題から、日本の自動車に対する貿易障壁は簡単にかつ迅速に解決することが難しいため、TPP 交渉自体を不必要に遅らせることになるのではないかと懸念しているようです。

 

農業関係団体の多くは歓迎の立場を表明しています。そのうちの注目すべき意見として、全国牧畜業者牛肉協会(NCBA:The National Cattlemen’s Beef Association)は、TPPに加入する前に、牛肉の年齢制限を緩和するべきだとしており、また、USA ライス連合会(USA Rice Federation)はコメ関連を含めた全ての関税品目についてTPP での合意を得るべきとするものの、同時に、日本のコメには非常に難しい政治問題があるとの認識も示しています。

 

さらに、全米食品製造者協会(GMA:The Grocery Manufacturers Association)は日本との関係で潜在的な問題として、?残留農薬のモニタリング、?アレルギー物質やGMO 農産品の表示、?食品添加物の制限等を指摘しています。また、チューインガム等、一部の加糖食品や、コメ加工品などの関税率が非常に高いとし、改善を求めています。

 

2.WTO ドーハ・ラウンドの今後

 

2011 年12 月15 日?17 日までにジュネーブで開催された第8回WTO 閣僚会議では、ロシア等の新規加盟が承認されるという大きな進展があった一方で、ドーハ・ラウンドに関しては、今後の方針が全く決定されずに終了することとなりました(議長報告参照)。

 

昨年5月に、ドーハ・ラウンドを進展させるために、合意できる分野のみを先行させる「部分合意」の提案がなされ、昨年一杯、その可能性が探求されましたが、合意できる分野に関して各国の思惑に相異があり、結局この作業も停止状態となりました。

 

一方で米国からは、「部分合意」の見通しが立たないのであれば、現在までに合意が得られた国だけでWTO の「サービスの貿易に関する一般協定(GATS:General Agreement on Trade in Service)」第5条による複数国間協定(Service Plurilateral Agreement)を結ぶことが提案されました。この米国提案に対しては、EU 諸国を始め、多くの国が興味を示している一方で、中国、インド、ブラジル等は分野によっては反対との態度でした。

 

WTO の複数国間協定には、すでに政府調達協定(GPA:Government Procurement Agreement)や情報技術協定(ITA:Information Technology Agreement)がありますが、サービス分野に関しても、前述のGATS 第5条に「WTO 加盟のすべての国ではなく複数の国で、ある一定のサービス分野について協定を作ることができる」と解釈可能な規定があります。したがって、この提案には反対できないということもあり、行き詰まったドーハ・ラウンドを動かす新しい方向性として模索されたようです。

 

このような状況下で、アガンガ閣僚会議議長としては、ドーハ・ラウンドの今後の活動方針として、「部分合意」及び「複数国間協定」の可能性を検討するとの方向で議事の取りまとめを行おうとしたようですが、ペルー、ボリビア、ベネズエラ等の開発途上国から、「ドーハ・ラウンドは一括採択(Single Undertaking)が原則のはずである」との予期せぬ強い反発があり、今後の作業方針の合意が得られない状況となったようです。これにより、今ラウンドの公式な交渉に関しては、当面、進展が期待できないと見られています。

 

 注)参考リンク:

1.パブリックコメントは米国政府の連邦官報利用ウェブサイトregulations.gov にて確認可能です 。

2.該当ウェブサイトOfficial documents of theGeneva Ministerial および議長報告Chairman’s Concluding Statement(英文)

 

(文責:西野 俊一郎)