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チョコレートは~♪ギニア!?

ギニア共和国森林保全に配慮した高品質カカオの普及・実証・ビジネス化事業

独立行政法人国際協力機構(以下、JICAとする)は近年、わが国の民間企業が有する優れた技術や製品、アイディアを用いて開発途上国が抱える課題の解決と同企業の海外展開、ひいては日本経済の活性化も兼ねて実現することを目指し、中小企業・SDGsビジネス支援事業という、新たな民間企業提案型スキームを展開しています。

このJICA事業に関心を示し、ギニア共和国(以下、ギニアとする)とカカオと森林保全をキーワードに手を挙げた民間企業が2社ありました。

1社は貧困農家の生計改善と森林保全によって高付加価値化したカカオを主に日本の高級チョコレートメーカー等に対して供給することで、ギニアの零細カカオ生産者の所得向上を実現することを企図したカカオトレーダーの(株)立花商店。もう1社は国連等のグリーンファイナンスの調達可能性を検討するとともに、プロジェクトの持続的な運営を目指し、SDGsの成果を可視化してチョコレート製品に付加するマーケティングを通じて収益の増大を目指しながら、農家に適正な利益を還元するバリューチェーンを構築することを考えた兼松(株)でした。

後者の兼松(株)はかつてギニアの首都コナクリに事務所を構えていましたが、閉鎖してから何十年と経過しており、前者の(株)立花商店ともどもJICAによるODA事業には不慣れです。そこでギニアでの調査、専門家派遣の経験を有する当協会に協力を求め、企画立案に参加するとともに、当該事業をJICAへ提案し、結果的に標記事業は2019年9月~ 2022年5月(32ヵ月)まで実施することとなりました。

 

国際ココア機関(ICCO)のカカオ統計2018-19によると、コートジボワール(世界のカカオ豆生産量の約46%)やガーナ(同17%)がカカオ生産量で世界第1位、2位の地位にいます(図1)。一方、ギニアでも、とくに隣国リベリアやシエラレオネ、コートジボワールと接する森林地域では、1958年にフランスから独立するまで現在のコートジボワールを凌駕するほどカカオが生産されていたそうです。ところが独立以降、フランスをはじめとする西側諸国からの支援を失ったギニアのカカオ生産は下降の一途を辿ってしまいました。しかし、今でもカカオはコーヒー、アブラヤシと並ぶ商品作物としてギニア政府から期待されています。

 

上記ICCOによると、ギニアの2018-19カカオ生産量は1万tで、これはコートジボワールの生産量のたった0.5%程度でしかありません。世界市場に打って出るにはあまりにも弱小といわざるを得ませんが、実はギニアには世界市場を独占する国々にないアドバンテージがありました。無農薬栽培です。カカオを生産する森林地域の農民は貧しく、肥料や農薬といったカカオ生産のための投入財を購入することができず、結果的に無農薬カカオが生産されています。実際にプロジェクト対象地のKissidougou県で無作為に100人の生産者からアンケートを取ったところ、農薬(殺虫剤)を使用している生産者は1人しかいませんでした。食べ物の安心安全に関心を示す消費者は世界中におり、とくに自分が製造するチョコレートの差別化を図りたいショコラティエの目にとまることができれば、ギニア産チョコレートがデパートやチョコレート専門店の店頭に並ぶ日がやってくるのではないかと夢を見てしまいそうです。しかし、そのハードルはかなり高そうです。カカオ生産技術の研修を受講した一部の生産者を除き、ほとんどの生産者は自己流でカカオを生産しており、とくに収穫後の発酵・乾燥といったカカオ豆加工技術がお粗末で、現状では日本をはじめとする先進国に売り込める品質のカカオ豆は多くないとの印象を持っています(写真1-3)。

 

本事業では、上記の懸念を少しでも取り払い、売れるカカオ豆が集荷できるようプロジェクトサイトに指定したKissidougou県内のカカオ生産者を対象に、アグロフォレストリによるカカオ栽培と発酵・乾燥処理技術をギニア国立農業研究所(IRAG)の研究者らと協働で指導する計画を立案しました。同時に、森林保全による気候変動対策(パリ協定)を実現し、チョコレート製品のマーケティングにも活用するとともに、さらなる高付加価値化でグリーン資金を調達し、プロジェクトの持続性を高めることも計画しています。

 

今般世界中を席巻する新型コロナウイルスの影響で本事業は中断していますが、IRAG研究者や農業普及員といったギニア国内協力者のモチベーションは高く、また本事業の一環として企画したカカオ栽培技術研修への参加を希望する生産者も多くいます。鉄は熱いうちに打て!ともいいますが、まさに始まったばかりのプロジェクトなので、同感染症が1日も早く収束し、本事業が再開されることを心から祈念しています。

 

(文責:小林裕三 JAICAF技術参与)