News tag menu

  • 養蜂
  • ジェンダー
  • 日本
  • イネ
  • ゴマ
  • ミャンマー
  • ブルキナファソ
  • 灌漑
  • ラオス
  • モンゴル
  • ベトナム
  • タイ
  • 食料ロス
  • ケニア
  • ガーナ
  • フードバリューチェーン
  • 農業機械
  • 農産加工
  • 栄養改善
  • カカオ
  • ギニア
  • アフガニスタン
  • コートジボワール
  • アンゴラ
  • エクアドル
  • ボリビア
  • ルワンダ
  • カンボジア
  • セネガル
  • マダガスカル

Category list

  • お知らせ
  • 事業報告
    • 生産技術(R2)
    • 復興支援(H23)
    • 農民組織(H23)
    • 情報整備(H24)
    • 農民組織(H24)
    • 復興支援(H24)
    • 農民組織(H25)
    • アグリビジネス(H25)
    • 復興支援(H25)
    • アグリビジネス(H26)
    • 復興支援(H26)
    • JICA事業
      • アフガニスタンCDIS3
      • JICA草の根(モンゴル養蜂)
    • 貧困削減(H26)
    • アグリビジネス(H27)
    • 貧困削減(H27)
    • 地産地消(H28)
    • 貧困削減(H28)
    • 農業投資(H28)
    • 地産地消(H29)
    • 品質向上(H29)
    • 生産技術(H30)
    • JRA養蜂
    • 生産技術(H31)

『海外農林業情報』No.29

海外農林業情報 No.29 (2014年4月23日

日・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)の大筋合意について

4月7日から安倍首相とオーストラリアのアボット首相との間で首脳会議が行われ、日・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)について大筋の合意がなされました。その内容は広範にわたるものであり、詳細な規定の合意に関する文章作成には時間がかかると見られていますが、重要項目については、それぞれの政府からの発表がありました。

<合意の概要>
最も重要な分野は、農産物の日本市場へのアクセスの問題でしたが、(1)税関手続、(2)衛生植物検疫、(3)強制規格・任意企画・適合性評価手続、(4)食料供給、エネルギー・鉱物資源、(5)サービス、(6)自然人の移動、(7)電子商取引、(8)投資、(9)競争、(10)知的財産、(11)政府調達、(12)経済関係の緊密化といった、広い分野にわたる合意となっています。これらの中にはTPP交渉で大きな問題となっている分野もありますが、TPP を先取りするような形にはなっていないようです。

<合意の詳細>
各分野のうち、(5)サービスと(8)投資ではネガティブリスト方式(留保した分野以外は自由化)を取っており、さらに、(4)食料供給、エネルギー・鉱物資源については輸出制限を導入しないことを主眼としていることが目立ちます。(2)の衛生植物検疫(SPS)に関しては、情報交換による協力を中心に行うことが注目されます。

関税に関しては、オーストラリア市場への鉱工業品のうち大部分の品目について即時撤廃となり、自動車に対しては3年目までに、鉄鋼では5年目までに撤廃することが合意されました。他方、日本市場へのアクセスについては、鉱工業品はほぼ全ての品目を10 年以内に撤廃するとしており、また、農林水産品については、コメ、食糧用麦、砂糖、脱脂粉乳、バター等は撤廃対象から「除外」または「将来の見直し」となりました。麦のうち飼料用については民間貿易に移行し無税化するとし、他方、牛、豚、チーズについては、次のような内容となりました。

牛肉では現行38.5%の関税が、冷凍に関しては18 年目に19.5%、冷蔵に関しては15 年目に23.5%へと引き下げられることが約束されていますが、一定量を超えた場合のセーフガード制を維持しています。その際の発動基準となる増加数量については10 年かけてそれぞれ1万5000トンずつ増加させており、オーストラリア側には大きなプラスと見られます。また、牛の内蔵肉および調整肉については、税率を下げるとともに、関税割当による一定枠についての税率引き下げを摘用することとなります。

豚肉に関しては、関税割当制度を新たに設けて、初年度5600 トン、5年目には1万4000トンに増加し、現在の関税も半分にすることで合意しています。ただし、現在の国内価格が一定水準を割り込んだ時に発動されるセーフガードは継続されることとなったようです。

酪農品については、現在、オーストラリア産と国内産との抱合せ販売において無税となっている2.5 対1の割合を3.5 対1とすることで、オーストラリア産品が他国産品より有利となり、さらにこの枠を初年度4000 トンとし、20 年目には2万トンに拡大していくこととなりました。また、ナチュラルチーズおよびプロセスチーズの関税は29.8%だったものが半分になるようです。その他の酪農品として、アイスクリームおよびフローズンヨーグルトの割当枠を拡大することとなっています。

砂糖については、粗糖が184%から110%に引き下げられますが、オーストラリアから輸出される精製糖の70%には変更がないとされています。

さらに園芸品目についての撤廃等が合意され、また、ワインについては、7年間で撤廃することとなったようです。

<参考リンク>
日本・オーストラリア経済連携協定における大筋合意の概要外務省
日豪EPA 農林水産品の合意内容および畜産関係の詳細について(農林水産省
Historic Free Trade Agreement concluded with Japan豪貿易・投資大臣ウェブサイト
英語)


(文責:西野俊一郎)

 

『海外農林業情報』のバックナンバーは、こちらから。

刊行物一覧へは、こちらから。