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『海外農林業情報』No.47

海外農林業情報 No.47 (2015年8月4日
 

TPP協定交渉妥結に至らず

TPP協定交渉は、7月24日からの首席交渉官会議を受けて、大筋合意を視野に、28日からハワイ・マウイ島で、閣僚交渉を行いましたが、31日に妥結に至らずに閉幕しました。

終了後の記者会見で、「この1週間以上の会合で我々は大きく前進した。残る少数の問題についてさらに努力を続け、交渉の筋道を付けることとする。これまでで最も、TPP交渉の妥結は手に届くところに来ている」という短い共同声明を発表しましたが、今後についての言及はありませんでした。

しかし、さらに交渉官レベルでの折衝を続けることとなり、また、甘利経済・財政大臣も、記者会見で、「もう一度会合が開かれれば、すべて決着すると思う」と述べており、また、最後まで生物製剤のデータ保護期間と乳製品の市場アクセス問題で抵抗をしたと言われているニュージーランドのグローサー貿易大臣も、「これだという妥協点を見出す確信を持っている」と述べており、今一歩の状況になっているとの判断があるようです。

 

今回の交渉では、ニュージーランドが、乳製品の輸入アクセス拡大(主として日米加の措置)に強く不満を表明し、また、生物製剤のデータ保護期間の延長に反対したことが最大の争点だったと伝えられており、甘利大臣も、交渉途中で記者団に「ある特定の国がかたくなに合意を渋っている」と述べていました。

通常、ニュージーランドは、貿易自由化推進派で、輸出主力の乳製品に関しても主要国の事情を理解して、ある程度のアクセス拡大で折り合う傾向にあったため、今回の抵抗は、日米をはじめ各国にとって意外であったと思われます。

しかし、今回の交渉で、ニュージーランドの公的保険の薬価決定過程がやり玉に挙げられ、それに関しては関係者の意見聴取、過程の明確化を受け入れざるを得なくなり、さらに生物製剤のデータ保護期間の延長でジェネリック医薬品の利用が制限され、いずれも公的保険の負担増になるというこれまでの交渉で経験のない分野で譲歩を迫られることになった点が国内的に問題になったのではないかと思われます。

そのことから、どうも今回の交渉では、貿易大臣に譲歩の権限が与えられていなかったのではないかと推測されます。

 

また、今回の交渉では、日本のいわゆる農産物5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物)については関税撤廃の例外扱いとし、品目ごとにある程度の関税引き下げと関税割当て数量の拡大、さらに牛豚肉に関するセーフガード措置を組み合わせた形の方向が合意される見込みとなったようです。

このうち、コメの輸入数量が未定となっており、さらに乳製品の輸入枠に関してニュージーランドから不満が表明されているようです。

 

米国では、国内の批准手続きとして、国際貿易委員会(ITC)の影響評価を受けて初めて議会に協定批准案を提出でき、さらに、議会には90法定日(約5ヵ月)の審議日が与えられますので、来年は大統領選があり、オバマ大統領の任期中(基本的には11月の大統領選前)に批准するためには、協定署名を年内に行う必要があります。

また、署名のためには、90日前までに議会に通報する必要があります。

 

このような事情もあり、8月中に再度閣僚会議を開き大筋合意を目指さざるを得ない状況となっており、それを逃すとTPPは漂流しはじめるのではないかと言われ始めております(大筋合意後、最終合意の協定文書の作成作業があり、それぞれの国の確認作業がありますので、相当の時間を要します)。

 

<参考リンク>

Joint Statement by TPP MinistersUSTR、7月31日、英語)

 甘利氏「次回で決着」 TPP、前進を強調日本経済新聞 電子版、8月1日、閲覧には無料会員登録が必要) 

 

( 文責:西野 俊一郎)

 

 

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