海外生活事情 ―ベトナム―(2)

今回は、前回の「ハノイ編」に続き、北西部6省のうち3省の様子を中心にご紹介します。

北西部6省(イエンバイ、ハザン、ラオカイ、ライチャウ、ディンビエン、ソンラ)は、首都ハノイの北西に広がる山岳地帯にあります。

ラオカイ省とライチャウ省の境には同国最高峰のファンシーパン山(標高3,143m)が聳えており、イエンバイ省を除く5省は中国またはラオスと国境を接しています。そのためハノイからの交通の便が悪く、最も近いイエンバイ省都イエンバイまで車で4時間、最も遠いディエンビエン省都ディエンビエンフーまで約13時間の距離にあります。少数民族の比率が高いことも特徴です。

主要な産業は農業で、山腹に棚田や段々畑が広がっています。場所によっては立つのもやっとという急峻な山腹に畑がありました。
 

私が目にした作物は水稲、トウモロコシ(飼料用)、ダイズ、キャッサバ(タピオカ製造用)、パイナップル、カンナ(麺製造用)、茶、ミカンなどでした。水牛はあちらこちらで見かけますが、耕運機やトラクターはほとんど見かけませんでしたので、主に畜耕と思われます。
 

各省とも、農業生産性が低く、交通網や輸送手段が未整備で、産業振興が難しいという問題を抱えています。そのため、農業指導、観光開発(ハザン省の棚田、避暑地サパ、ファンシーパン山、伝統的な生活様式を守る少数民族村、など)や、特産物の育成(ハザン省のミカン、ラオカイ省の良食味米品種Sen Cu、ソンラ省モクチャウ高原の野菜と乳製品、など)に努力しています。
 

イエンバイ省、ハザン省そしてラオカイ省を写真で紹介します。 

 

次回ベトナム(3)では、残り3省をご紹介します。

(報告:N. N.) 
 

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